台湾で会社設立・就労前に知っておくべき4つの税金・確定申告の方法をわかりやすく紹介

台湾でビジネスを行う計画がある方の中には、台湾の税制について事前に理解しておきたいと考える方も少なくありません。
台湾と日本では税制の仕組みが大きく異なるため、日本の感覚のまま台湾で会社運営したり就労したりすると、税務申告の不備や税金未納な どのトラブルにつながる可能性があります。
そこでこの記事では、会社運営に関わる台湾の主要な4つの税金と、確定申告の基本的な方法について紹介します。
会社運営にかかわる台湾の4つの税金

台湾の税制は、日本の税制とは大きく異なります。
たとえば、日本の法人税や消費税に相当する税金は、台湾では「営利事業所得税」や「営業税」と呼ばれます。
なお、台湾の営業税(日本の消費税に相当)の税率は5%です。
日本では、従業員の給与所得に対する所得税は原則として会社が源泉徴収します。
一方、台湾の個人総合所得税は、在留期間などの条件によって源泉徴収の方法や確定申告の要否が異なります。
ここでは、台湾で会社を運営するうえで押さえておくべき主要な4つの税金について紹介します。
1.営利事業所得税
台湾の税金の1つである営利事業所得税は、日本の法人税に相当するものです。
営利事業所得税の税率、対象、注意点をまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 税目 | 営利事業所得税 |
| 税率 | 20% |
| 対象 | 会社の課税所得(会社の売上利益から経費などを差し引いた利益) |
| 注意点 | ・課税所得が12万台湾ドルを超えるなら課税対象 ・12万台湾ドル以下なら免税 |
※出典:国土交通省
2.営業税

日本の消費税に相当するものが台湾の営業税です。
会社が何らかの商品やサービスを販売した際、それに対して課税されます。
営業税の税率、対象、注意点は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 税目 | 営業税 |
| 税率 | 5% |
| 対象 | 台湾で販売される商品・サービス・輸入品 |
| 注意点 | ・商品やサービスを販売する際には「統一発票」を発行し買主に交付する ・申告は2ヶ月分を一括しておこなう |
※出典:国土交通省
企業間で商品やサービスを取引する場合は、「統一発票」を発行する必要があ ります。
統一発票がなければ、売上税額から仕入税額を差し引く仕入税額控除が認められないからです。
また、営業税の申告は原則として2か月分をまとめ、奇数月の15日までに行います。
営業税が非課税・税率0%の取引がある
営業税は、台湾国内で販売される商品やサービスに課税される税金です。
ただし、すべての取引が一律5%で課税されるわけではありません。
取引の内容によっては、非課 税または税率0%が適用される場合があります。
営業税が5%・免除・税率0%のものについて表にまとめました。
| 内容 | 仕入税控除の可否 | 代表的な取引の例 | |
|---|---|---|---|
| 5% | 台湾国内での一般的な商品やサービスの提供 | ◯ | ・台湾の国内企業が別の国内企業に商品を販売 ・台湾の国内企業にビルメンテナンスサービスを提供 |
| 非課税 | 社会政策的な配慮から非課税にするのが望ましい商品やサービスの提供 | × | ・土地の売却 ・医療サービス ・介護サービス ・教育サービス ・米・麦・魚などの販売 |
| 0% | 課税対象だが政府が税率0%にしている取引 | ◯ | ・物品の輸出 ・輸出関連のサービス ・国際運輸とそれに関連するサービス ・保税区域の事業者への物品またはサービスの提供 |
※出典:公益財団法人日本台湾交流協会
営業税の税率5%の取引はもちろん、税率0%が適用される取引についても、仕入税額控除および還付申請を行うことが可能です。
3.個人総合所得税
個人総合所得は、会社の役員や従業員として給与を受ける場合や、株主として配当を受ける場合などに課される税金です。
個人総合所得税の税率、課税対象、主な注意点です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 税目 | 個人総合所得税 |
| 税率 | 5%~40%の累進課税 |
| 対象 | 給与所得、配当所得、事業所得など個人のすべての所得 |
| 注意点 | 台湾で働く外国人の個人所得は居留期間に応じて納税方法が異なる |
台湾での居留期間に応じた個人総合所得税の納税方法
台湾に在留する外国人は居留期間に応じて、「国内非居住者」と「国内居住者」に分けられます。
- 国内非居住者:課税年度中(1月1日~12月31日)の在留期間が183日未満
- 国内居住者:課税年度中の在留期間が183日以上
在留期間に応じた個人総合所得税の納税方法は以下の通りです。
| 居住者区分 | 課税年度中の在留期間 | 納税方法 |
|---|---|---|
| 国内非居住者 | 在留期間90日以下 | ・源泉徴義務者が所得から既定の税率で天引き(源泉徴収)する ・源泉徴収されなかった所得があれば出国前までに申告・納税 |
| 国内非居住者 | 在留期間91日以上~183日未満 | ・源泉徴収義務者が所得から既定の税率で天引き(源泉徴収)される ・源泉徴収されなかった所得があれば出国前までに申告・納税 |
| 国内居住者 | 在留期間183日以上 | ・給与所得などの総額から、「免税額」「扣除額」「基本生活費差額」を差し引いた額を確定申告し、規定の税率で納付 |
※出典:財政部台北国税局
国内非居住者の所得については、源泉徴収されるので確定申告する義務は基本的にありません。
一方、国内居住者は、所得が課税最低限を超える場合、翌年5月1日から5月31日までの期間に確定申告を行う必要があります。
4.源泉徴収税

台湾で会社経営をする際には源泉徴収にも注意する必要があります。
会社経営において源泉徴収が必要なケースは以下の通りです。
源泉徴収が必要なケース
- 従業員への給与の支払い
- 配当金の支払い(台湾外株主への支払い)
- 会計士や弁護士などの専門家への報酬
- 賃借料など
台湾では、営利事業者所得や営業税、個人総合所得税について申告納税方式を採用しています。
しかし、所得を受ける側が外国人の非居住者や個人の場合、確定申告が難しいケースがあります。
その際は、支払者側が支払いのときに所得税を源泉徴収し、所得を受ける側に代わって税金を納めます。
台湾における営利事業所得税の確定申告

台湾の法人は営利事業所得税(法人税)の申告と納付の義務があります。
その確定申告の時期・課税対象となるもの・内容についてまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申告時期 | 毎年5月1日~5月31日 |
| 対象期間 | 前年1月1日~12月31日までの事業所得 |
| 申告内容 | 課税年度の会社の損益を計算し、課税所得と納付すべき営業所得税を申告 |
※出典:公益財団法人日本台湾交流会
法人の確定申告は手続きが複雑であり、専門的な知識が求められます。
台湾には「會計師事務所」と呼ばれる会計事務所があり、台湾の公認会計士による税務申告や会計業務のサポートを提供しています。
日系企業は、こうした会計師事務所を活用することで、確定申告や納税に関する実務を適切に進めることが可能です。
台湾における個人総合所得税の確定申告

台湾では日本の年末調整に該当するものがありません。
したがって個人事業主だけでなく、給与所得がある会社員も確定申告をしなければなりません。
台湾における個人の確定申告の時期・対象となる所得、申告内容についてまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申告時期 | 毎年5月1日~5月31日 |
| 対象期間 | 前年1月1日~12月31日までの事業所得 |
| 申告内容 | 給与・配当・家賃収入などのすべての所得を計算し、各種控除を適用して所得税額を申告 |
※出典:財政部台北国税局
すでに、個人総合所得税の部分で説明したように、外国人で「非居住者」に該当する場合、会社が給与についてすでに源泉徴収しているので、その分については申告の義務はありません。
確定申告の場所・方法
台湾に居留する外国人が確定申告・納付する場所は、居留証に登録されている県(市)を管轄している国税局です。
居留証・統一番号が付与されている外国人は、財政省電子納付サービスの「外国人に対する総合所得税」の部分から確定申告書をダウンロードすることができます。
オンライン申告の登録に必要な書類は以下の通りです。
オンライン申告の必要書類
- 外来人口自然人憑証・金融証書・居留証などに記載されている統一番号
- パスポート番号
- 居留証番号
- 許可証番号
台湾の税金についてのまとめ
本記事で説明したように、台湾の税制には日本と共通する点もありますが、大きく異なる点もあります。
たとえば、消費税に該当する営業税は税率5%で、2ヶ月ごとに申告が必要です。
日本では給与所得者の所得税は会社が源泉徴収し、年末調整によって過不足を精算します。しかし、台湾には日本の年末調整に相当する制度はありません。
そのため、台湾に183日以上滞在する給与所得者(居住者)は、自ら確定申告を行うことが原則となっています。
台湾ビジネスや台湾での生活に関して、税務を含む各種サポートが必要な場合は、ユニチャレンジ台湾までお気軽にご相談ください。
お客様のニーズに適応したサポートを提供いたします。

