台湾の国民健康保険の特徴と病院の利用フローをわかりやすく解説

台湾 病院

台湾で生活をすれば病気やケガで病院に行くことがあります。

台湾の国民健康保険に加入できれば、医療費を抑えることができます。

一方で、台湾の国民健康保険にどうやって加入すればよいのか、また病院をどのように利用すればよいのかわからず、不安に感じている方もいらっしゃいます。

そこで、この記事では、外国人が台湾の国民健康保険に加入できる条件、台湾の健康保険証の仕組み、病院の利用フローをご紹介します。

台湾の国民健康保険は「全民健康保健」(NHI)

台湾には「全民健康保険」という国民皆保険制度があります。

台湾に住んでいる日本人でも、条件を満たしていれば全民健康保険への加入ができます。

全民健康保険に加入できれば、世界的に見ても高い水準にある台湾の医療制度を、費用を抑えて受けることが可能です。

外国人が全民健康保険に加入できる条件

台湾の全民健康保険は、国籍や職業に関係なく、以下のいずれかの資格を満たせば外国人も加入できます。

  • 台湾で合法的に雇用されている個人(雇用された日から加入)
  • 台湾の在留証を保有し、台湾に6ヶ月以上滞在する人
  • 居留証を所持する外国人の新生児(出生日から加入)
  • 「外国人専門人材招聘就労法」に基づく外国人専門人材とその配偶者および未成年の子ども(居留許可の取得日から加入)

※出典:衛生福利部

全民健康保険は、外国人でも保険料は台湾国民と同様に計算され、医療を受ける権利も台湾国民と同じです。

健康保険証の仕組み

病院の前にいる医師

全民健康保険に加入すれば健康保険証が発行されます。

台湾の健康保険証には、名前・生年月日・IDナンバーが記載され、ICチップが埋め込まれているのが特徴です。

病院や薬局の受付のカードリーダーで健康保険証を読み取るだけで、診察日の受付、予約、処方箋のやり取りなどができます。

ICチップ付き健康保険証は、一般診療(内科など)はもちろん、歯科・眼科・中医(伝統的医学の病院)まで利用可能です。

台湾では「健保醫療資訊雲端e點通創新應用」(国民健康保険医療情報クラウド検索システム)を導入しています。

そこには患者の服薬・診察・検査結果・予防接種の履歴などの情報が保存されており、医師は、その情報にアクセスすることで、患者に対する検査や薬の重複が避けられます。

病院の利用フロー

女性医師

台湾の病院のおおまかな受診の流れは以下の通りです。

1.健康保険証の持参

受診の際には必ず健康保険証を持参してください。

健康保険証を忘れた場合は、医療費が全額自己負担になります。

ただし10日以内に健康保険証と領収書を受診した医療機関に持参すれば、自己負担額を差し引いた分の払い戻しを受けることができます。

診察の予約は病院の受付や自動受付機、もしくは電話でおこないます。公式アプリやウェブサイトから予約すれば、時間の節約になるでしょう。

台湾では、掛號費(初診料・再診料にあたる費用)と、診察にかかる自己負担額がまとめて請求されます。日本とは異なり掛號費は病院独自で額を決めることができます。

掛號費は、50〜数百元程度が目安で、クリニックか大病院かといった規模によって金額が異なります。

2.順番待ち

病院の待合室

待合室で順番を待ちます。

診察室前のモニターに番号が表示される、もしくは自分の番号が呼ばれたら診察室に入ります。

台湾の大きな病院では、受診予約・交通案内・診察の進み具合などの確認ができる公式アプリが提供されており、とても便利です。

公式アプリを使えば、自分の順番が近くなるまで、近くのカフェなどで待つことも可能です。

3.診察

中国語での会話に不安があり、症状を伝えるのが難しいなら以下の方法をお試しください。

  • Google翻訳
  • 症状を日本語・英語・中国語の簡単な単語でメモして医師に見せる

検査が必要なら、院内で指示を受け別の窓口や検査室に行きます。

4.会計・薬の受取

診察終了後には、支払い用紙と処方箋が渡され、院内の会計(繳費處)で支払いを行います。

大きな病院では自動支払機での精算が可能です。

自動支払機では一般的にクレジットカード、ORコード決済が使えます。

大きな病院では院内薬局で処方された薬を受け取ります。

クリニックなどの小さな病院では近くにある指定薬局(健保特約薬局)に行き、処方箋を渡して薬を受け取ります。

薬代は、院内で薬を受け取る場合は診察費とあわせて支払うことが多く、院外の薬局を利用する場合は別途支払いとなります。

受診した際の自己負担額

医療費の自己負担分

日本の国民健康保険と同じように、台湾の病院で受診した際の医療費は、利用者が一部を負担するのがルールです。

そして、受けた処置、薬の値段、入院の日数などにより、一部負担金の額は変化します。

台湾の医療費一部負担金は次の4種類です。

それぞれの一部負担金について額や負担率を紹介します。

外来一部負担金

外来一部負担金は、病院の規模、紹介状の有無で負担額が変化します。

スクロールできます
一部負担金(単位:台湾元)
西洋医受診救急医療歯科漢方医
紹介状あり紹介状なしレベル1~2レベル3~5
メディカルセンター1704204505505050
地域病院1002403005050
地区病院50801505050
診療所50503005050

※出典:全民健康保険ハンドブック

薬品一部負担金

薬代の自己負担額は、薬価によって変化します。

薬価(単位:台湾元)一部負担金(単位:台湾元)
100以下0
101~20020
201~30040
301~40060
401~50080
501~600100
601~700120
701~800140
801~900160
901~1,000180
1001以上200

※出典:全民健康保険ハンドブック

薬代の自己負担額は薬価によって変動しますが、台湾では自己負担額に上限(200台湾ドル)が設けられています(記事執筆時点で約996円)。

そのため、どれだけ薬を処方されても極端に高額になることはなく、日本と比べても大幅に負担が抑えられているのが特徴です。

自己負担額の計算例

風邪をひいて自宅近くの診療所(掛號費:100台湾元)を受診した場合の支払い例を見てみましょう。

  • 掛號費(登録料):100台湾元
  • 外来一部負担金:約50台湾元
  • 薬品一部負担金:0〜200台湾元(薬価により変動)

    これらを合計すると、支払い総額は約150〜350台湾元(約750円〜1,750円)となります。

風邪をひいたときに日本の病院を受診すれば、2,000円以上かかります。

したがって、台湾の医療費は日本と比べると安価です。

リハビリ一部負担金

理学療法や整形外科系の治療(打撲や捻挫、肩こり・腰痛など)を受けた場合にも、自己負担金が発生します。

リハビリ一部負担金は、治療の2回目以降から、毎回50台湾元(日本円で約250円)を支払います。

入院時一部負担金

入院をした場合、病室や入院の日数に応じて、入院費用全額に対して一定の割合で費用を負担します。

一時負担比率
5%10%20%30%
急性病室30日以内31~60日61日以上
慢性病室30日以内31~90日91~180日181日以上

※出典:全民健康保険ハンドブック

入院の場合の自己負担額の割合は、費用総額の5%から30%です。

台湾の自己負担額は日本より安価

台湾で病院を受診した際の一時負担金の額を見ると、日本で同じ処置を受けた場合より、費用が安価なことがわかります。

したがって、外国人でも条件を満たしているなら、全民健康保険に加入することをおすすめします。

台湾の国民健康保険と病院利用についてのまとめ

外国人でも加入資格を満たしているなら台湾の全民健康保険に加入できます。

加入後は、世界的にも高い評価を受けている台湾の医療サービスを、比較的低い自己負担で利用することが可能です。

ユニチャレンジ台湾では、台湾で生活されている日本人の方を対象に、病院への同行や通訳、日常生活におけるサポート(買い物など)を提供しています。

病院へのアクセス方法、病院での医師や看護師とのやり取りに不安がある方は、ぜひユニチャレンジ台湾までお気軽にご相談ください。