台風・地震シーズン前の企業のBCP対策とオフィス・家庭の防災チェック

台風は世界の他の国々と比較すると台風や地震が多い国です。
したがって、台湾でビジネスや生活をするにあたって、台風・地震の情報収集、防災対策は重要な要素になります。
この記事では、企業がおこなうべき台風・地震への対策、オフィス・家庭の両方で共通する災害対策、情報収集の方法などを紹介します。
台湾は台風と地震が多い国

台湾は西北太平洋の台風の通り道に位置し、また環太平洋地震帯の上にあるため、台風と地震が多いです。
気象庁の統計によると、台湾では1日あたり平均100回の地震が発生しており、マグニチュード6以上の地震は年に平均2回あります。
実際、1999年の「921台湾大地震」による犠牲者は、2,400人を超えています。
また、2001年には台風により台北市の地下鉄構内が浸水し、その後3ヶ月にわたって地下鉄が運行停止になりました。
2009年の台風では大雨により高雄の村が土石流で埋没しました。
こうした背景があるので、台湾でビジネスや生活をするには防災への備えが大切です。
そこで、この記事では企業がおこなうBCP対策、オフィス・家庭共通の防災対策や情報収集方法を紹介します。
企業のBCP対策

BCP対策とは、自然災害や感染症拡大などの緊急事態が発生した際に、重要業務を継続し、早期に復旧させるための「事業継続計画(Business Continuity Plan)」のことです。
BCP対策がなければ、取引先からの信頼を失い、会社が倒産するなどの大きなトラブルが起こる可能性があります。
したがって、BCP対策はリスクマネジメントの一環としてとても重要です。
具体的なBCP対策として以下のことがおこなえます。
| BCP対策 | 内容 |
|---|---|
| データのバックアップ | 重要なデータを定期的にバックアップし、クラウドストレージおよびNAS・外付けHDDに多重化して分散保管する。これらのバックアップは統合的に管理する。 |
| 遠隔・リモートワーク体制 | オンラインツールやクラウドサービスを活用して、オフィス以外の場所で業務ができるようにする |
| 代替拠点の確保 | 本社が機能不全に陥った場合に備え、代替拠点を準備する |
| サプライチェーンの多様化 | 一部の仕入れ先が被災した場合に備え、複数の仕入れ先を確保しておく |
| オフラインでも最低限の業務ができるようにする | 災害により在庫システムや発注・受注システムが使えなくなっても最低限の仕事ができるよう、紙ベースの連絡先のリストや重要書類の印刷控えを1セットは用意しておく |
停班停課の規定
台湾では台風が来ると県や市ごとに「停班停課」(明日は台風なので学校・仕事は休み)という発表があります。
これは公式の決定情報です。
したがって、停班停課の発表が出れば従業員は出勤義務がなくなります。
この際、休んだ分の給与を支払うかどうかは会社の判断になりますが、多くのホワイト企業は「有給扱い」にしています。
従業員とのトラブルを避けるために、停班停課の発表があったときに、その日の給与を支払うかどうかは就業規定で明確にする必要があります。
オフィス・家庭で共通しておこなえる防災対策

オフィス・家庭で共通しておこなえる台風・地震への対策を紹介します。
それぞれの対策について具体的な内容を説明します。
オフィス・建物選び
最初に考える災害対策は、災害に強いオフィス・建物選びです。災害に強いオフィス・建物選びのポイントをいくつか紹介します。
オフィス・建物選びのポイント
耐震基準と築年数
オフィスや住宅を探す際には、耐震基準や築年数を確認しましょう。
1999年の「921大地震」以降に建てられた建物は新しい耐震基準に沿ったものが多いです。
また、鉄筋コンクリートのオフィス・マンションは比較的耐震性に優れています。
1階が店舗・駐車場のみのピロティ構造は要注意
1階が店舗や駐車場で壁がない柱のみのピロティは地震に弱い傾向があります。
1階は豪雨で浸水するリスクもあるので要注意です。
浸水リスクの確認
浸水リスクは、内政部や地方政府の「淹水潛勢圖(浸水マップ)」から確認できます。
河川沿い・海沿い・低地は、台風時に床上浸水の可能性があります。
室内の地震対策

オフィス・自宅で共通しておこなえる室内の地震対策は以下の通りです。
室内の地震対策
家具やオフィス機器の固定
台湾の床はタイル貼りが多く、家具が滑りやすいです。食器棚・本棚・ラックなどの背の高い家具は、転倒防止のL字金具や突っ張り棒、耐震ジェルマットで壁や床に固定してください。
コピー機や大型プリンターなどのオフィス機器は地震の揺れで滑り、他の物に当たって破損する可能性があります。
キャスターを固定する、ストッパーを使う、滑り止めシートを敷くなどの方法で対策をしてください。
窓ガラスの補強
台風による強風で看板などが飛んでくる可能性があります。
窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る、もしくは台風のときはカーテンを閉めてガラスの飛散防止をしてください。
落下物対策
テレビ・ディスプレイはモニターアームや耐震ジェルマットで落下防止します。
高い位置には重い物を置かないことも重要です。
吊り上げ照明の強度や固定方法を確認してください。
避難スペースの確保
テーブル・デスクは地震の際に体を守れる空間になることを意識して配置します。
避難時の転倒リスクにならないよう避難通路には段ボールや荷物を置かないでください。
停電対策

台風・地震時の停電対策として以下のことがおこなえます。
電源確保
停電対策としてモバイルバッテリーとポータブル電源を用意できます。
モバイルバッテリーはスマホの充電に使えます。家庭なら1〜2個、小規模オフィスなら従業員の半分程度の数は用意できるでしょう。
Jackery、EcoFlow、Ankerなどのメーカーが提供しているポータブル電源を用意できるなら、スマホの充電はもちろん、扇風機や照明、パソコンの電源として数時間から数日使えます。
UPSの導入
UPS(無停電電源装置)は 停電や電圧変動などの電源障害時に、内蔵バッテリーから電力を供給し、接続された機器を保護する装置です。
デスクトップパソコンやサーバーを使用しているなら、急な停電でデータが破損する可能性があります。
UPSがあれば、停電時でも一定時間機器に電力を供給するので、その間に安全なシャットダウンやバックアップができます。
これにより停電によるデータの破損・損失を防ぐことが可能です。
断水対策

災害時の断水対策として以下の3点を意識できます。
給水システムを知る
台湾の多くのマンションやアパートは、屋上に貯水タンクがあります。
断水してもタンク内に水があれば使用できます。
しかし、停電が起これば給水ポンプが止まるので結果的に水が出なくなります。
停電した場合、水がどれくらい使えるのか、どこから水を確保するのか確認する必要があります。
台風接近時の事前給水
台風接近時は断水に備えて事前に水を溜めておきます。
バケツ・タライ・ポリタンク、もしバスタブがあればそこに水を溜められるでしょう。
バケツに入るサイズのひしゃくがあれば、トイレを流すときに便利です。
飲料水の確保
1人あたり1日3L×3日分を目安に、ペットボトルの水を箱買いしてストックできます。
2Lと500mlのペットボトルの両方を用意しておけば使いやすいです。
給水情報の入手先の確認
緊急給水措置についは、水道局のサイトやニュースメディア、SNSで発表があります。
たとえば、台北市の水道局は、公式サイトで図式化された給水情報専用ページを設け、リアルタイムで給水状況、減圧または断水の範囲、近隣の緊急取水所や学校に設けられた給水所の情報を更新します。
オフィスや自宅のある場所では、どこが給水場所になるのかを確認してください。
台湾のニュースアプリや行政サービスのLINE公式アカウントを登録しておくと通知が早いです。
通信対策
通信会社の通信基地に被害がない限り、スマホは圧倒的な連絡・情報入手手段になります。
しかし、災害時には特定のキャリアの回線がつながらない可能性があるので、複数キャリアのSIMを持つことがおススメです。
1つのスマホで2つのSIMを使い分けられるデュアルSIM対応のスマホを使うと便利です。
こうした方法でリスクマネジメントをしておけば、万が一1つの回線が使えなくなったとしても、別の回線でやり取りしてビジネスの継続ができます。
食料・生活必需品の確保

台風・地震のときには、フードデリバリーサービスは停止します。スーパーやコンビニの商品も品薄、品切れになります。
したがって、災害が起こる前に、調理不要もしくはお湯だけで食べられるものを用意しましょう。以下の食品がおすすめです。
- 缶詰
- レトルトご飯
- インスタント麺
- シリアルバー
- ナッツ
- クッキー
電気やガスが止まることを想定して、カセットコンロとガスボンベも用意してください。
さらに、以下の生活必需品を備えていると安心です。
- マスク
- ティッシュペーパー
- トイレットペーパー
- ウェットティッシュ
- 常備薬
- 生理用品・乳幼児用品(該当する場合)
非常用持ち出し袋に水・食料・最低限の生活必需品・簡易トイレ・モバイルバッテリーなどを入れて、玄関や寝室に置くことができます。
台湾における災害の情報収集方法

台湾は台風や地震が多いので、台風観測や天気予報の技術が発達しています。
そのため、地震発生から数秒以内に警報を出すシステムが確立しています。
したがって、情報収集する方法を知っていれば、事前対策や緊急避難が可能です。
台風・地震の情報収集手段には次のものがあります。
- 災防告警系統(Public Warning System)
- 地震発生後の国家レベル警報
台風が上陸する1〜2時間前になると、台湾の気象局は台風の破壊力が強い部分が通過する見込みのある地域に向けて、災防告警系統で警報を配信し避難などの行動を促します。
地震では、マグニチュード5.0以上、震度4以上が予想される場合、地震発生から10秒以内にスマホに「緊急アラート」が送られます。
他にも、台湾政府系のアプリ、民間の災害情報アプリなどから情報を入手できます。台湾の災害情報アプリとしては以下のものが有名です。
- 中央氣象署W – 生活氣象
- 消防防災e點通
- DPIP – 台湾災害防止情報プラットフォーム
企業のBCP対策とオフィス・家庭の防災対策のまとめ
オフィスや家庭でできる防災対策は、事前に情報を収集し、あらかじめ備えておくことが基本です。
自然災害によって事業の継続が難しくなると、最悪の場合、拠点の撤退を検討せざるを得ない可能性もあります。こうした事態を避けるために、企業のBCP対策は必須です。
台湾には「停班停課」という独自のシステムがあります。日系企業はこうしたシステムを理解し、災害時には従業員の安全を最優先にする必要があるでしょう。
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