【実務ガイド】台湾の企業が従業員を労働保険に加入させるための手順を紹介

台湾で会社設立後に従業員を雇用する場合、一定規模以上の事業所には労工保険への加入義務が生じます。
台湾で会社経営を行う場合、労工保険の加入手続きから、保険料の計算・納付まで、一連の実務を正しく理解しておく必要があります。
そこで、この記事では台湾で会社設立後に従業員を労工保険に加入させるための具体的な手順と、関連する実務のポイントを紹介します。
台湾の会社は従業員を労工保険に加入させる

台湾の会社は従業員を社会保険に加入させる義務があります。
台湾において日本の労働保険・退職金制度に該当するものは、労工保険です。
まずは、その保障内容・保険料の従業員と会社の負担割合などを紹介しましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 労工保険 |
| 概要 | 傷病、出産、障害、老齢、死亡給付と、職業災害による労災がある |
| 保険料の負担割合 | 会社負担70%、従業員負担20%、政府補助10% (労災の関しては100%会社負担) |
※引用元:労働部労工保険局
労工保険はあくまで従業員本人が対象で、家族は原則として直接加入しませんが、遺族給付などはあります。
ここでは、まず労工保険の団体加入資格の整備方法、続いて従業員の加入手続き、保険料の計算・納付といった実務について取り上げます。
健康保険加入にまつわる実務についてはこちらの記事をご覧ください。
従業員を労工保険に加入させる際の実務ガイド

台湾の法人企業が従業員を労働保険(労工保険)に加入させる際に必要な実務は以下の通りです。
労工保険加入のための実務
それぞれの実務について内容を紹介します。
1.会社が労工保険の団体加入資格を整える

最初の実務は、会社を保険加入団体(投保単位)として登録することです。
労工保険の保険加入団体としての登録は、健康保険や労工退休金の手続きとあわせて進められることが多く、会社設立後の初期実務の一つとなります。
保険加入団体となるための申請書は労働部労工保険局の申請書を用いた方法のほか、オンライン申請システムを利用することも可能です。
申請の際に必要な書類や情報の代表的なものは以下の通りです。
- 会社登記簿
- 統一編號(台湾の法人番号)
- 代表者の身分証明証
- 連絡窓口(人事・総務担当者の連絡先)
- 労工保険に加入する従業員のリスト(氏名・ID・入社日・月給額など)
- 申請書
申請先は、労働部労工保険局もしくは各地にある分局の窓口です。
提出方法は、窓口で直接提出、郵送、オンライン申請システム(中国語)があります。
2.従業員ごとの労工保険加入手続き

会社として労工保険の加入団体登録が完了したら、次は従業員ごとの加入手続きです。
一般には、以下のような労働者が加入対象になります。
- 正社員
- 一定条件を満たす契約社員・パートタイム
必要な情報は以下の通りです。
- 従業員の氏名
- 身分証明書の番号(台湾人:身分證字號/外国人:居留証番号など)
- 生年月日
- 性別
- 連絡先
- 入社日(被保険者資格取得日)
- 投保薪資(保険加入の基礎となる金額:投保薪資等級表に基づき等級を決定)
必要な情報を集めたなら、「勞工保險 、就業保險、勞工職業災害保險加保申報表」の用紙に記入し、労働部労工保険局の窓口に提出します。
3.保険料の計算と納付

労工保険の保険料の計算には次の情報が必要です。
- 月額保険料:労工保険賃金区別表を参照
- 保険料率:12.5%
- 負担率:会社負担は70%、従業員負担は20% 、政府10%
2026年1月1日から適用される労工保険賃金区別表は以下の通りです。
| 保健等級 | 実際の給与 | 投保薪資(保険計算用の基準額) |
|---|---|---|
| 1級 | 29,500以下 | 29,500 |
| 2級 | 29,501~30,300 | 30,300 |
| 3級 | 30,301~31,800 | 31,800 |
| 4級 | 31801~33,300 | 33,300 |
| 5級 | 33,301~34,800 | 34,800 |
| 6級 | 34801~36,300 | 36,300 |
| 7級 | 36,301~38,200 | 38,200 |
| 8級 | 38,201~40,100 | 40,100 |
| 9級 | 40,101~42,000 | 42,000 |
| 10級 | 42,001~43,900 | 43,900 |
| 11級 | 43,901以上 | 45,800 |
※単位:台湾元
※引用元:労働部労工保険局
労工保険料の計算式は以下の通りです。
従業員の負担額:(投保薪資)×(保険料率12.5%)×(負担率20%)
会社の負担額:(投保薪資)×(保険料率12.5%)×(負担率70%)
たとえば、月収40,000台湾元の従業員の月額保険料は、40,100台湾元で、等級は8級です。
この場合の、労工保険の自己負担額、会社負担額は次のように計算できます。
従業員の負担額:40,100×12.5%×20%=1,003台湾元(金額は四捨五入)
会社の負担額:40,100×12.5%×70%=3,509台湾元(金額は四捨五入)
従業員の負担分は毎月の給与から天引きになります。
会社は毎月の納付通知書に基づいて、従業員負担分と会社負担分をまとめて金融機関や電子納付で支払います。
労工保険の保険料支払いについての毎月の実務フローをまとめました。
- 各従業員の月額保険料と等級を確認(昇給などで変更があれば更新)
- 保険料を計算
- 給与から従業員負担分を天引き
- 労働部労工保険局からの納付書・オンライン明細に基づき、期日までに一括納付
4.従業員情報の追加・変更・退職時の手続き
新入社員が加入したときには、入社日を被保険者資格取得日として、原則当日に労工保険の加入手続きを行います。
給与額の変更があった場合、投保薪資等級の見直しが必要になるので、等級変更届の提出が必要です。
氏名・身分証番号などの変更があれば、労働部労工保険局への情報修正の届け出をします。
従業員が退職するときには、 労工保険の退保申報表を提出します。
退職の翌日以降、その従業員は被保険者ではなくなります。
従業員を雇用する新設の会社はオンライン申請が便利

台湾でこれから会社を設立し、採用・雇用を行うという計画があるなら、「会社・事業所・合資会社向けワンストップオンライン申請」のサービスが便利です。
ワンストップサービスでは、「会社/商業の設立登記」と「労工保険、または就業・災害保険/労工退職金制度の投保単位の設立」を同時に申請することが可能です。
これにより、書類の郵送、窓口での書類提出の手間が省けるので、時間やコストを節約できます。
詳しい内容は、労働部労工保険局の公式HP、「会社・事業所・合資会社向けワンストップオンライン申請」のページをご覧ください。
従業員を労働保険に加入させるための実務ガイドのまとめ
台湾で従業員を雇う場合、一定規模以上の事業所には労工保険への加入が義務が生じます。
会社を新設する場合、保険加入団体の登録が必要です。
それから、各従業員の情報をもとに、労工保険加入の申込を労働部労工保険局の窓口に提出します。
毎月の給与計算では、従業員の保険料負担額を計算し、その額を給与から天引きします。
そして、会社負担分と従業員負担分を合わせて納付します。
台湾でビジネスを展開するには、日本と違う商習慣や社会保障制度についての知識と理解が不可欠です。
しかし、言語や制度の違いにより、実務が難しい場合があります。
ユニチャレンジ台湾では、言語の壁を乗り越えて台湾でビジネスをする方のために、各種サービスを提供しています。
サービスの詳細については、いつでもご連絡ください。

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